鹿児島県立短期大学/第14回鹿児島県短期大学の教育 シンポジウム発表

2010.10.07

第14回 鹿児島県短期大学の教育 シンポジウム発表

短大の魅力

鹿児島県立短期大学 経営情報専攻2年 新留 麻美

 平成22年8月10日に鹿児島女子短期大学で「第14回鹿児島県短期大学の教育 シンポジウム」が開催されました。そのシンポジウムで鹿児島県立短期大学経営情報専攻の新留麻美さんが「短大の魅力」を発表しました。以下はその内容です。 短大シンポジウム

 過去の同シンポジウム発表

 私が考える一番の魅力は自分らしくのびのびと生活できる場であるということです。県短はほぼ女子しかいないので、男の子の前では猫かぶっちゃう!という私にはぴったりな場所です。授業中も疑問に思ったことは積極的に質問できるようになりましたし、何より、自分の考えをはっきりと主張できるようになりました。また、団結力もとても強いので、行事ごとには本気、かつ盛り上がりながら参加できます。

 私が県立短大に入学して1年半が過ぎようとしています。県短に合格したい!と意気込んでいた高校生のあの頃を思い出しますと、まだ何も県短の良さや魅力を分かっていなかったのだなと思います。あの頃は、先生からも「短大なんて2年間しか時間の猶予がなくてお前がしたいことなんてできないぞ、お前には満足できないぞ」と言われ続けました。確かにそのときは先生の言葉に少し不安を抱きましたが、私は大丈夫、きっと楽しい学校生活を送れるとなぜだか確信することができました。事実、私は現在まで様々な体験をし、たくさんのことを学んできました。今回は私が入学してから今日に至るまでに発見した県立短大の魅力についてお話させていただきたいと思います。

 県短の一つの魅力は少人数体制で授業がおこなわれていることです。私は商経学科経営情報専攻に在籍しています。商経学科では1年時からゼミ活動があり、大体8〜10人という少人数に振り分けられ、担当の先生に則したテーマでみんなで話し合いを進めていきます。2年時にはそれぞれ自分が興味のあるゼミを選びなおし新しい仲間と研究テーマについて議論したり合宿をおこなったりします。私のゼミでは毎回一冊のテキストを元に担当の人がレジュメを書き、テキストの概要や内容の検討、論点の提示などを発表し、そしてそのことについてみんなでディスカッションをするという形をとっています。現在は「山家悠紀夫」さんの「暮らしに思いを馳せる経済学〜景気と暮らしの両立を考える〜」というテキストで不良債権がもたらしたもの、また、それが景気にどのように影響したかを読み解き理解を深めています。レジュメの作成は今まで経験したことがなく、最初のうちはいかに簡潔かつ分かりやすくまとめるか、悪戦苦闘していました。しかし、仲間の資料を参考にし、あるときは仲間に指摘をしてもらうなどして自分なりに完成度を高めていくことができました。ときには霧島まで合宿に行き、先生から就職活動や卒論についてのお話をしていただいたり、先生の自宅でバーベキューをしたりして、学びながらもたくさんの楽しくて有意義な経験をすることができます。このようにゼミ活動ではたくさんの経験を積み、お互いの仲を深めながら、より内容の濃いディスカッションをし、自分の意見を主張する力、そして相手の主張を理解する力を身につけることができました。

 また、パソコンの授業でも少人数体制である魅力に気付きました。パソコンの授業は学科ごとにおこなわれ、初級、中級、上級コースの中から自分のレベルにあったコースを選択し受講することができます。先生だけでなく助手の方が1〜2名いるので質問もしやすく、疑問に思ったことはすぐに質問し、理解度をより高くすることができます。そのおかげで日商PC検定などの資格の取得にもつながりました。

 次に学外研修の魅力についてお話させていただきます。県短ではさまざまな体験実習科目があり、学校外で学ぶ機会が設けられています。異文化コミュニケーションや異文化体験、社会活動などがありますが、中でも私が体験した企業研修は県内企業の現場で働く経験を通じて、社会人としての課題、企業運営、職務遂行に必要な知識・技術などを体験し、はたらくことの自覚や自信を身につけることができました。初めて、一般企業で仕事をさせていただき、改めてアルバイトとは比べ物にならないくらい責任が重いものだと感じました。会社が求めているのは、自己ベストで頑張れる人ではなくて、完璧な仕事ができる人、と言われ、生半可な気持ちで社会には出られないことを深く痛感しました。また、仕事とは人の役に立つことであると同時に、仕事を通じて自らの達成感もまた合わせて味わうというその両方を満たすものでなければならないということを教えていただき、この経験はあと半年で社会に出る私に少しの自信を身につける、とても貴重な経験になりました。

 次に充実した学校行事にも大きな魅力があります。私は現在一部の自治会長を務めています。自治会とは主に、学生のみんなに短大の2年間という短い時間の中でも充実した学生生活を送ってもらうために、学校行事の企画から、運営までをおこなっています。行事の中でも一番盛り上がるのは、やはり学園祭で、県短では県大祭とよんでいます。県大祭は前夜祭、学内開放、そして文化祭の3日にわたりおこなわれます。前夜祭では体育館を使って仮装パーティーをします。昨年私は一休さんの仮装をして参加しました。みんなの注目を浴びて恥ずかしいというより、むしろ気持ちがよかったのを憶えています。学内解放ではゼミごとに模擬店を出店したり、舞台ではバンドや吹奏楽部がパフォーマンスや発表をし、来ていただいた人達を盛り上げています。しかしその中でも一番会場を湧かせたのはゲストとしてお招きしたお笑い芸人の皆さまでした。昨年はキングコング、流れ星、クッキーズと3組も芸人をお招きしました。このときばかりは私も、出店していた自分の店を放り投げ、熱い視線を彼らに送りに行ってしまいました。そして最後の文化祭は鹿児島県民交流センターでおこなわれ、主に1年生のステージ発表がメインとなり会場を盛り上げました。専攻ごとの絆も深まる他、違う専攻との関わりもできるのでお互い刺激し合える、とてもよい機会です。

 このように毎年文化祭はとても盛り上がりますが、今年は県短創立60周年という節目の年ということで、さらに新しいことはできないかと思案中です。現段階では県短オリジナルのしおりやキャラクターの作成をするために、学生のみなさんに案を募っています。また、県短の地域で毎年行われるみぎわ祭りにも参加し、県短だけでなく地域一帯を盛り上げていこうと、地域の方々と月に2,3回集まり計画を練っています。

 また、このような自治会活動をする上で重要となっているのが二部の人たちとの協力です。県短は一部と二部に分かれており、第二部商経学科は県内で唯一夜間に通うことができる短期大学です。私たちと同年代で昼にアルバイト、夜から学校に通う、という人たちがほとんどですが、中には社会人として働きながら学校に通う方、またはとても学生とは思えない、むしろ校長先生に見えてもおかしくない人などさまざまで、私とは違う経験、または多くの経験をしている方とお話をするのはとても刺激になり、自分の未熟さに気づくことがあります。自治会活動は一部と二部揃って初めて成り立つもので、お互いの時間の合間を縫って話し合いを進め、助け合いながら活動しています。限られた短い時間の中で、計画を練って行動に移す、それは思っていたよりとても難しく、予算の照らし合わせや、会社との交渉、当日までの準備などどれも責任が重く一つの行事を計画することがいかに大変かを痛感しました。しかしこのような苦労があったからこそ、みんなでつくりあげた達成感はとても味わえますし、何より、自分が一つ一つの行事を終わらせるたびに大きく成長し、それが自信に繋がっていることが分かります。

 短大の2年間はあっという間ですが、短いからこそ毎日を大事にし、密度の濃い日々を送ることができるのではないかと思います。事実、私はこの1年半で学んだことはとても多く、自分自身変われた部分もたくさんあります。すべて、短大だから、県短だからこそ成し得たことだと思います。そしてこれから卒業までの半年でまだまだ、社会に生かせるような体験や、今しかできない経験を積んでいこうと思います。

 また、このような魅力にあふれた短大生活を県立短大に入学した人すべてに味わってほしいので、更なる県短の飛躍のため日々精進していこうと思います。

 本日はご清聴ありがとうございました。

以上


鹿児島県立短期大学/第14回鹿児島県短期大学の教育 シンポジウム発表